病院

保険が利かないから法外な気のするお金を払って初回のカウンセリングだけ受けてみた。話を聞いていたら勧誘の仕方が詐欺臭くて宗教色が強かった。話せない人が有志で話をする場を設けてる団体をただの傷の舐め合い、教祖化されていて一生出てこれない所だと、その点私には確立した理念があると言っていて、そうやって外に敵を作って自分の懐に取り込むような、そういう事をされている気がした。うら寂れた町の雑多ビルの、午後の電車が走る音が遠くに聞こえる一室で静寂の中一対一でそんな話をされて正直恐くなった。並んでいたスリッパもしみったれたカーテンで仕切っただけの診察室も先生の長すぎる前髪もそこから時々覗く目も先生の着ている物も何もかもが不潔だった。もうあそこには行かない。
これで治るなんて期待したらきっと失望が大きいからしないようにしてたつもりだったけど、やっぱどっかで期待してたみたい。マック探して紅茶買って飲んだら涙が出てきた。行くべき場所が分からない。疲れた。何か文字にすると村上春樹みたいだな。だけど、泣くと泣いた分だけ受け入れる覚悟が強くなる気がする。しょうがないよって。それでいいのかわかんないけど。明るい絶望。