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拝啓、ダニエル・デネット。
あなたのことを敬愛しています。
意識とは、様々なトピックが混沌と存在している脳内で、もっとも名声を得ているトピックのことです。
そして名声は、その一瞬の状態でなく、そのものに対する注目が後続することによって成立します。
後続することとは、「次に何が起きるか」ということ。
つまり意識とは、「次に何が起きるか」という後続事象を見る現象のことです。
わたしの愛しい一人称的現象、クオリア。それは細胞の反応であり、こう語るわたしに主体はないのでした。
なぜわたしはゾンビと言えないのか。
ゾンビと人間とロボットの違いをきちんと分かりたい。
わたしがわたしであるということはどういうことか。
ゾンビがゾンビであるということはどういうことか。
スウィート・ドリームズ (NTT出版ライブラリーレゾナント059)
- 作者: ダニエル・C・デネット,土屋俊,土屋希和子
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
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p.221
それは、心臓は基本的にはポンプであり、原理上、血液を傷つけないで必要なポンプ作用をする限り、心臓が何でできていてもいいのとまったく同様に、心は根本的には制御装置であり事実上は生きた脳によって実現されているが、他にこれと同じ制御機能を計算できるものがあれば、それも同様の機能をもつという考え方である。脳を実際に構成する物質、すなわち、神経細胞の化学作用、神経線維の分極におけるカルシウムの役割他のもろもろは、前述の砲弾の化学的構成と同じくらい重要でない。
p.232
再三再四論じてきたように、意識的であるということは、テレビに出ていることとは違う。テレビに出演して、数百万の人から見られたとしても、まだ、名声を手にいれたとはいえない。なぜなら、テレビに初出演してもしかるべき後続的事象が生じていないからである。同様に、脳の中のどこにも、氷床が単独で意識を生むために十分であるような領域はない。違いを生じさせるのは常に後続事象である。(つまり、次に何が起きるのか?だ。)
p.234
この類推の重要な点は、意識は、名声と同様に、機能主義的な現象であるということである。すなわち、立派な行いをする人が立派なのである。
このようなエコー、すなわち反響、往復旅行、想起、記憶の呼び起こし可能性などの重要性は、意識について書く人々によってしばしば注目されている。