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小さい頃病気をして学校を休んで、そしたら朝から病院に連れていかれて、日の光がさしこむ待合いで本を読みながらぼうっと待ち、アンパンマンドラえもんの色あせてほとんど擦り切れてるシールのべたべた貼られた吸入の機械をして、

そして家に帰ってきたら熱で眠る。眠る眠る眠る。
それで起きたら夕方で、誰もいない家の中で教育テレビだけが音を出してる。
分厚いブラウン管のテレビは深紅のカーテンの前にあって、その大きな窓にななめに西日がさしこんでて、わたしの目の中はいちめんオレンジ色。
そのオレンジの世界で16時のいないいないばあ!が始まっていてわんわんが女の子と元気に踊っている。不必要におどけている。
わたしは熱と学校を休んだ非日常のせいでフワフワ現実感を失くしているのにわんわんだけはものすごい元気でおどけてて夢の国にいってしまったひとりぼっちのわたしの腕をつかんで現実に連れ戻す。
その安心感。
ひとりとか孤独とかそういうものを子ども心にもうすうす感じさせてたオレンジ色の西日からわたしを安全なカーテンで守って、もうすぐお母さん帰ってくるから大丈夫!それまでわんわんと楽しくすごそうよ!ってしてくれたそれが、わたしが一番大切にしたいものになった。
誰かを西日からカーテンで守って、歌や絵やパステルカラーの世界で安心をつくること。
わたしの夢です。