ひとりでいるときのつらさが増すようになった。
自分の家に帰ってきたときにひとりだったことを思い出す。
それにいちど気づいてしまうと、歩いていても何をしていても孤独に耐え兼ねて耳をふさぎたくなる。寒さと絶望が襲ってくる。どんな音楽を流し込んでももうそれはごまかせない。孤独に支配されて体が動かなくなる。
死や停滞に静謐な意味を見出してもまったく無駄なのに、静寂な部屋の影にからめとられてしまって微動だにできなくなる。そうしてじっと無音に耳をかたむけてる。

ひとりじゃ何もできない人間はきらいで、むしろひとりで何でもできる方だった。いまでもひとりで何もできないというわけじゃない。だけど、何も感じられない。すべてが味のない砂みたいにしか感じられない。何も美味しくないし何ひとつ楽しくない。ざわざわして余裕がなくなり、孤独と不条理と矛盾以外のものが見えなくなる。
だれかがいると、急に世界が色づきだす。世界に足をつけている感じが蘇ってきて、余裕があるし楽しい。わたしは何も変わらないのに全部が違う。
わたしは早婚型な気がする。