バイト

厨房に立たせてもらえるようになりました。
まだ簡単なドリンク類しか作らせてもらえないけど、自分で作ってお客さんまで届けてを繰り返す間にいろんなことを考えました。



厨房からお客さんのところまでは結構な距離があります。
例えば10人の団体客が10杯のビールを頼んだら、私は一度か二度でその10杯のジョッキを運び終えます。
でも、一人で来ているお客さんがビールを1杯飲み終えるごとに10回頼んだとしたら、同じ10杯でも私はたった一人のお客さんに、たった1杯のビールを、結構な距離を移動して10回届けます。
でも、お客さんにしたらサービスされている量に多い少ないの差はないのです。
お客さんはみんな平等で、こう言うと語弊があるけれど一人一人が心地よい接客を受けて当然なのです。
だから、1杯目のビールも10杯目のビールも変わらず、
あなたのために届けにいくよー!
ということなのだと学びました。

「あなた一人を大切にしている」ということ。
その気持ちを態度で伝えること。


普段の私は、一人一人をないがしろにしがちです。
それは私を育てた過去によるところが大きくて、
昨日一緒に悩んでいた友達も明日にはちゃっかり着実に前進しているから、
こまやかに生きていたら、のろまなあたしは追いつけないと判断した時がありました。
きっとそのせいで、気付いたら人の心を切り捨てたがるようになっていて、
残念だけどこんな風な人間になりました。
でもそれじゃいけないんだ。
それはすごく心が狭いことだ。
ただの独りよがりだ。
そんなやつは一人で悩んで一人で世界と戦っている気になっていればいい。
それで自分を守っているつもりなら。



ひと一人ときちんと逃げないで付き合うには莫大な余裕と寛大さが必要で、
そしてそれを皆当たり前のようにやってる。
それが当然なんだ。
私にとっては簡単なことじゃないけど、本当は出来て当たり前なんだ。
日常で会う一人一人にも、本当はお客さんに対するのと同じような気持ちで臨むべきなんだ。
自分は逃げ腰で、それでいいことされたいなんて傲慢だったな
働いているとそういうことに気付かされます。
甘さを思い知る貴重な経験です。