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あれしようこれしなきゃっていうtodoはほぼ全て文字を読む物事だから、ゆるやかになだらかに自分を活字中毒に追い込んでいこうとおもって過ごしてる。
- 作者: 田中慎弥
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/01/27
- メディア: 単行本
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ずっとセックスが横たわっていた。わたしたちが語るような、あるいはメジャーなメディアで語られるようなライトでポップでハッピーなセックスは実にエンタメ的で、わたしたちはそれが当たり前だと思っているしあるべき姿であり男女平等の正しい状態だと信じきっていて、女性もセックスを楽しんでしかるべきという観念が染み付いている。というよりふだんはそんなことすら考えないし疑いもしない。だけど目に見える意見だけを大多数の意見と勘違いするように、世の中には『共喰い』で語られるようなセックスが当然としてあることにただわたしが気が付いていないだけで、本来セックスの本質は、男女平等にはなりえない気がするんだよ。よくわかんないけど。男の人の中にはこういう殴りたい、みたいなのがあるんだろうか。それを商業誌や番組が刷り込んだジェンダーな男女平等エンタメハッピーセックスのあり方に矯正されてなんとなく幸せっぽくやってるんだろうか。
内容読んで、なんとなくだけどそういうことを思った。
文章については、丁寧で整然とした美しさがあると感じた。言葉選びに無駄がなく、機能美のような固さがかっこいい。なのに気がつくと一瞬前後不覚な雰囲気に陥っていたり、その覚醒状態と夢遊状態の行き来がすごく自然で、文章力の奥行きみたいなものを感じた。文章すごいや。