駄文


ねえ好きって何だっけ?
思い出せないよ。





バイトすんだ朝電車で出会ってしまった。その人はブラウスに紺色の中間服みたいな半端なワンピースを着てた。髪型が、座禅エクスタシーの時の椎名さんみたいなショートで、あ。と思った。それをされるともう。その人は眠っていたけど、神経質そうな顔も、足のくにゃり具合も、ざくざくな前髪も、完璧だった。そのときわたしは愛妻家の朝食を聴いていたんだけど、その偶然もあって、朝からすごく美しいものを見た気がした。忘れてたなんかを思い出した。とにかくわたしには完璧だった。モテそうかと言われたらそうじゃないと思う、でもわたしみたいな人には異様にモテるあの感じ。春に尼崎で会ったあの人みたいな。わたしも人に媚びずにああなれたらいいのに。ぜんぶどうでもよくても勝手になんか付いてくる人だったらよかったのに。






家に着くと姉が修論の冊子をついに綴じるところだった。彼女はシューベルティアーゼだった。学校のレポートもわたしに任せていたような彼女がすごく文章がうまくなっていて感心した。
美しい詩があった。

シューベルトの詩
1819年9月9日


世界をその世界に置き去りにするがいい
世界の精神はこう語る
頼りない小舟の中で、
私の世界を守ってくれるのは精神だ。
走り続け、追求し続けさせるがいい
果てしなく遠い目標を目指して
遥かな、暗い奇跡の上に、
世界は多くのことを信じ、証明する。
けれども何者も真理ではない。
それでも決してムダではない。
この世の仕組みは人が作り、
それを自覚するのは神の力だ



フランツ・シューベルト

1813年5月

時代




絶え間なく時代はめぐり、
優しい時は二度と返らない
つねに人生の道連れとして
われわれとともに墓に降りて行く。


ただ束の間の吐息!―――それが時代だ
……

ポカリを飲んだらお腹いっぱい。薬飲んで寝る。