苦いだけじゃ未だ バランスが取れない

5限の仏教の授業に出たら、同じクラスの出席番号がいっこ前の子がいて、いちばん前で一緒に受けた。
ふわふわした子で、こっちまでほわーってなった。
頭の中で毛嫌いしていた人が、一番最後まで優しくて、拍子抜けてしまう。
会った頃のあたしは、きっとこの子はどこまでも優しいんだろうと分かっていたから、遠ざけていたんだろう。その子は何もしていないのに、妙な同族嫌悪を感じて寄らないでいた。
他の人はどんどん変わっていくのに、あなたはあなたのままで居たのね。
それはすごいことだ。芯が強い人は、その強さも見せ付けたりしないから。

だけど誰にも気付かれない種類の優しさは苦手だ。
見えてしまうんだ。思惑や努力や悲しみが。
地道すぎて、あたしは多分堪えられない。
薄っぺらいと思われるのはその辺だ。
今日も堪えられなかった。
笑顔ひとつに簡単に妬いたりするのがわからない。
いらない未練なんて捨ててしまいたいのよ。