ヨム
昨日の夜のお供。
- 作者: 嶽本野ばら
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 単行本
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「男子も女子も、子供も老人も、セクシーでなければ価値なぞないわ。人間だけじゃない。音楽、絵画、文学、お洋服、料理、景色、希望や絶望にすら私はセクシーを求めるの。フロイトは人間の全ての行為、感情を支配するものは性的衝動───リビドーだと定義したわよね。つまり要約すると、生きる目的はエロスの追求にしかないってことでしょ」
「どうして人は無駄だと判っているのに、可能性を捨てられないんだろうね」
1頁目から秀逸。エミリーを初めて読んだときの次に好きかもしれない。金原ひとみといい今はこういうのが読みたい気分らしい。
前に「初めて会ったとき嶽本野ばらちゃん好きなんだろうなって思った」と言われたことがあった。その時よりも今の方が好きだ。
マッシュだかスピードだかエクスタシーだか知らないけど彼には彼の美学があるのだ。一体彼は誰かや何かを傷つけたんだろうか。彼が塀の向こうに少なからずとも身を置いたという事実はこの先誰か何かを傷つけるかもしれない可能性の芽を摘んだのだという事だとしたら納得しないこともないけれど。